ユーティリティやハイブリットクラブと言うと、お助けクラブのイメージを持つゴルフ初心者の方が多いですが、全てのユーティリティがお助けクラブになるわけではありません。
4番アイアンや5番アイアンの代わりに入れるロフト角が23度から26度位のユーティリティは、クラブが短いためにミート率も良くなり、ボールも上がりやすくやさしいですが、ロフト角が20度以下のユーティリティはヘッドスピードが40m/s(ドライバー使用時)以下の方はボールが上がりきらない可能性が有りるので注意が必要です。
21度以下のユーティリティだとボールが上がらない理由
理由は、クラブが短いためにヘッドスピードを上げにくいからです。
おすすめのロフト角は?
ゴルフ初心者の方でもお助けクラブとして使用できるユーティリティのロフト角は、21度くらいまでがおすすめです。
それ以上の距離を狙って行くならフェアウェイウッドの方が良いかもしれません。
ロフト角が21度以上のユーティリティを使うなら
例えばロフト角が22度のユーティリティーで170ヤード打つ方が、185ヤード前後を狙うクラブで選ぶのは一番手上の19度のユーティリティを考えると思いますが、高さを出して楽に飛ばしたいなら同じロフト角のフェアウェイウッドの方が簡単です。
でも、同じロフト角だから飛距離が同じじゃないの?
と思う方がいるかもしれませんが、同じロフト角でもフェアウェイウッドの方がクラブ1インチから2インチ長いので、理論的にはヘッドスピードが上がるので距離が出ます。
ロフト角が同じユーティリティとフェアウェイウッドの違い
多くのゴルファーに人気があるゼクシオ9を例にしてみたいと思います。
XXIO9 ユーティリティ | ||
---|---|---|
U4 | U5 | |
ロフト角(°) | 21 | 23 |
クラブ長さ(インチ) | 40 | 39,5 |
クラブ重量(グラム)/(R) | 325 | 329 |
XXIO9 フェアウェイウッド | ||
#7 | #9 | |
ロフト角(°) | 20 | 23 |
クラブ長さ(インチ) | 41,5 | 41 |
クラブ重量(グラム)/(R) | 297 | 301 |
この表を見て頂ければわかると思いますが、ロフト角23度のU5と同じロフト角の9番ウッドではクラブの長さが1,5インチ違います。
単純計算ですが9ヤードぐらい9番ウッドの方が飛ぶ事になります。(実際にはもう少し飛ぶと思います)
この組み合わせの問題点
ロフト角20度以下のユーティリティを入れるなら7番ウッドや9番ウッドを入れた方が、ゴルフ初心者の方にはやさしいのは間違いないのですが、クラブの総重量バランスが合わなくなってしまう問題点も有ります。
これはゼクシオだけに限らず最近のフェアウェイウッドに多い現象なのですが、振りやすさを追求した結果、フェアウェイウッドの総重量が軽くなっています。
ゼクシオ9のロフト角23度の9番ウッドで見てみると重さは301グラムしかありません。
これはかなり軽いクラブに分類されるのですが、ゼクシオ9ユーティリティとの重量バランスを考えると、本来は310グラムから315グラムぐらいが適正な重量です。
そのためフェアウェイウッドとユーティリティの重量フローがずれてしまいます。
ゴルフクラブの総重量についてはこちらをご覧ください。
対処方法
この組み合わせで違和感を感じるのであれば、フェアウェイウッドのグリップのすぐ下に10グラムの鉛シートを巻いてみて下さい。
クラブのバランス(D2とかD0)は下がりますが、大した問題ではありません。
クラブの手元側が重くなる事で、ゴルフ初心者の方に多い手元が浮くインパクトを解消できる効果も有ります。
最後に
ユーティリティを選ぶ際の注意点を、ロフト角を中心にご説明してきましたが、ヘッドスピードに対して適正なロフト角を選べばユーティリティはボールが上がりやすい優しいクラブになります。
ゴルフの腕前が上達するにつれてヘッドスピードが速くなり、ユーティリティよりも5番アイアンや4番アイアンの方が好きになっているかもしれません。
その時にロフト角19度や17度のユーティリティやアイアン型のUTも試してみて下さい。